オランダのセキュリティ対策ソフトベンダーであるAVG Technologies。2016年に同業他社であるAvast Software(アバスト)社により買収されており、「AVG 無料アンチウイルス」の特徴を知るには、両社の統合後の変化を追うべきです。
本記事では、AVG社の無料アンチウイルスを検討する上で無視できない「アバスト無料アンチウイルス」とも比較しながら、「AVG 無料アンチウイルス」について説明します。
第三者評価機関による高い評価
AVG製品を評価した最新のテスト結果が、別の第三者評価機関AV-TESTから発表されています。このAV-TESTによる2019年6月度の性能テスト結果でも、AVG製品とアバスト製品とは全く同一の点数となっています。
ゼロデイ攻撃(脆弱性を修正するセキュリティパッチが提供される前にその脆弱性を悪用する攻撃)に対する防御において、業界平均(97.1%)を若干下回り、97.0%の防御率の結果となりました。また、標準的なアプリ起動時に遅延が生じるかを評価するテストで業界平均(遅延率10%)を若干下回り11%の遅延率でした。
AVG製品は、これら2点以外のテスト項目はすべて業界標準を上回り、TOP PRODUCTに認定されています。
買収以降もAVGブランド継続
アバスト社によるAVG社買収の狙いをまとめると次のとおりです。
- ユーザー数を拡大して脅威検出ネットワークも拡大
- 開発者の確保
- アバスト社の技術的弱点を補完
- AVG社の持つビジネスパートナーとの連携
このように両社の弱点を補完して、世界最大のセキュリティネットワークを構築した2社ですが、無料アンチウイルスにアバストブランドとAVGブランドの両方を残した理由は何でしょうか?アバスト社CEOのVince Steckler氏は、次のように説明しています。
「33コンシューマー製品においては、特定のブランドがより好まれるためです。AVGは、米国や英国など英語圏の市場でシェアを伸ばしており、アバストは英語圏以外で強みを発揮しています。確かに、ブランド名でセキュリティソフトを選ぶというユーザーは実際に多いです。」
製品ラインナップと価格
「AVG 無料アンチウイルス」とAVGの有料版の製品ナインナップは次のとおりです。AVG無料アンチウイルスは、個人・家庭用途での使用限定で、業務・商業利用は不可である点には注意が必要です。
無料アンチウイルス
- 価格:無料
- 特徴:PC、Mac、Androidで利用可能
AVGインターネットセキュリティ
- 価格:7,980円(1年用)、15,980円(2年用)、23,980円(3年用)
- 特徴:PC、Mac、Androidで利用可10台まで
まとめ
「AVG 無料アンチウイルス」に対する質問事項はAVGサポートコミュニティで受け付けていますが、英語のみでのサポートです。「アバスト無料アンチウイルス」との比較では、「AVG 無料アンチウイルス」の方は機能数が少なく、性能面では両製品でほぼ差がありません。両社のどちらかで検討中のユーザーは、アバスト社の製品を選択するほうが無難ですが、Windows XPをお使いの場合はAVG 無料アンチウイルスの方をセキュリティソフトおすすめします。